外国語の教師はネイティブが良いの?

フランス語に限らず、その言語のネイティブが母国語を教えるほうがいいと思っている人は多いようです。
逆に言うと、日本人に教わるなんてお金の無駄だ、位に思っている人もいそうです。

実際、多くの英会話教室の宣伝では、ネイティブが教える事を強調している事が多いですね。
また、日本人とネイティブの教師がいる場合、ネイティブが教えるほうが、料金が高い事もあるようです。

ネイティブだと言うだけで、外国語を体系的に学んだ日本人よりも、給与が高い場合なんかもあるみたいです。

しかし、ネイティブが教える事は、必ずしも良い選択とは言えません。
特に、初心者にとっては、日本人が教えるほうが良いのではないかと思います。

端的な例を一つ挙げましょう

私がフランス語を習い始めて1年くらいのときの、一緒の教室に通っている友人の女性の話です。

彼女の授業での様子を見ていると、講師の説明を十分に理解していない事は確実でした。
なぜかというと、講師が何度も説明した後に彼女に質問しても、まともに答えられていなかったのです。

ちなみに、講師はフランス人でした。

フランス人講師の説明は、残念ながら日本人の彼女には理解しやすいものではなかったように思います。
実際、多分このことを説明したいのだろうけど生徒には伝わっていないだろう、と思うことが何度もありました。

さらに言うと講師の側は、日本人が何を理解していないのかもわかっていないようでした。
生徒の質問に対して、トンチンカンな答えを返す事も少なくなかったのです。

この講師が日本で教える経験が乏しかったかというと、そうではありません。
来日してから既に15年以上たち、流暢な日本語を話します。

フランス語を教えた経験も、それなりに持っていたようです。

ただ、ここまでだと、必ずしも講師だけが悪いとは言い切れませんよね。
生徒の理解力にも、問題があったかもしれません。

日本人が説明したら、あっさりと理解

ある日、講師の説明を理解できずに困っていた友人に、私が個人的に説明する事になりました。
おそらく数時間の勉強だったと思いますが、友人は今までの疑問点は大分解消されたようでした。

私がフランス語を学んだのはたったの1年です。
しかし、そんな私の説明の方が、ネイティブの講師よりも分かりやすかったわけです。

これは別に、私の能力が優れていたからでは有りません。
日本人が外国語を学ぶときにどうすればいいか、知っていたからなのです。

他の外国を学んだ経験がありますからね。
日本人がどんなところで引っかかるかは、何となく分かるところもあるのです。

こういう経緯から、やっぱりフランス人講師の問題が大きいように感じます。

初めて習う外国語は日本人の方が良いと思う

ネイティブ講師の説明が分からずにパニックに陥る人は、彼女だけではありません。
これと似たような経験を何度かしています。

こういう観点から、初心者には日本人講師の方が良いのではないかと思うのです。
ネイティブは外国語としてその言語を学んでいないので、どこが分かりにくいのかとかどう説明したら良いかがよくわからないのでしょうね。

もっとも、ネイティブの外国語講師と言ってもピンキリです。
中には、初級レベルの学生に、上手に教えられる人がいることは否定しませんけどね。

目的によって使い分けられればベスト

もちろん、ネイティブの講師にも良い点はあります。
例えば、作文のチェックなどは、日本人講師には難しい作業でしょう。

文法的には間違っていないけど、ネイティブならこういう言い方はしないというような表現は、日本語でもありますよね。
日本でフランス語を学んだ日本人講師には、こういう部分の対応は難しいでしょう。

ですから、目的によって、日本人の講師とネイティブの講師を使い分けられればベストだと思います。
文法に関しては日本人に習い、発音や会話練習はネイティブとする事ができれば理想的でしょう。

まあ、実際はそう上手くは使い分けられないでしょうけどね。

最初は日本人にならい、ある程度できるようになったらネイティブと練習するというのが現実的でしょうか。

また、他の外国語をある程度のレベルまで学んだ経験があり、独学で文法が学べる人なら、最初からネイティブでもいいかもしれません。

こういう人の場合は、基礎的な文法は、自力で理解できるでしょう。
また、講師の考えも察しやすいと思います。


タグ: , , ,

スポンサードリンク

関連した記事を読む


コメントは受け付けていません。